コラム
変形性膝関節症とは?原因・症状・治療の考え方を医師が解説
変形性膝関節症で膝が痛くても、「年齢のせいだから仕方ない」「そのうち良くなるかもしれない」と我慢しながら生活していませんか?
しかし、それは危険な考え方です。変形性膝関節症の痛みは、我慢を続けるほど症状が進みやすくなります。
一方で、早い段階から対策を考えられると、手術以外の選択肢も含めて、できる治療は多いものです。
ここでは、変形性膝関節症の痛みの原因や治療法など、そして再生医療という選択肢についての考え方について詳しく解説していきます。
変形性膝関節症のサイン

変形性膝関節症は、日常の何気ない動作の中で症状として現れます。
変形性膝関節症でみられる症状の具体例
変形性膝関節症では、具体的に以下のような症状がみられます。
・朝に立ち上がるときの一歩目が痛い
・階段の下りが特につらい
・買い物に行くと途中で休みたくなる
・天気が悪い日に膝がズキッとする
このような痛みは、日常生活の中でじわじわと負担になります。
段階に合った対策を考えることが大切
変形性膝関節症の痛みに悩む多くの方が、「このまま悪くなったらどうしよう」「いずれ手術って言われるのかな」という不安を抱えています。
しかし、膝が痛む方といって、すぐに「手術しかない」という話になるわけではありません。
まずは今の状態を知って、段階に合った対策を考えることが大切です。
変形性膝関節症の基本的な仕組み

変形性膝関節症は、膝関節の構造変化によって痛みが生じる疾患です。
変形性膝関節症の基本的な状態
膝の関節には、骨と骨が直接ぶつからないように、クッションの役割をする部分があります。
このクッションがあるおかげで、歩いたり、階段を上ったりしても、膝への衝撃はやわらげられます。
ところが、年齢の変化や、体重の負担、過去のケガなどが重なると、このクッションが少しずつ弱っていきます。
クッションが薄くなると衝撃を受け止めきれなくなり、関節の中に負担がかかって痛みが出やすくなってきます。
これが、変形性膝関節症の基本的な状態なのです。
変形性膝関節症が起こる主な原因
変形性膝関節症を発症する背景には、複数の要因が関係しています。特別な原因ではなく、日常生活の積み重ねによって起こることが多い点が特徴です。
さらに、痛みがあるからといってすべてが同じ段階ではないことを理解しておくことが大切です。
年齢による変化
長年使ってきた関節には、少しずつ負担が積み重なっていきます。
体重の増加
膝は体を支える関節なので、体重が増えると、その分だけ負担も増えます。
筋力の低下。
特に、膝を支える大切な役割をする太ももやお尻の筋肉の支えが弱くなると、膝そのものに負担が集中しやすくなります。
過去のケガ。
若い頃のスポーツや転倒などで膝を痛めた経験が、年齢を重ねてから影響してくることもあります。
症状の進行と注意すべきサイン
変形性膝関節症は段階的に進行します。初期のサインを見逃すことで、症状が悪化するケースも少なくありません。
初期にみられやすい症状
変形性膝関節症の比較的早い段階では、以下のような症状がみられることが多いです。
・動き始めは痛いがしばらくすると楽になる。
・正座がつらくなる
・階段の下りに不安を感じる
・膝が腫れる
・膝が熱っぽく感じる
こうした状態では、「まだ大丈夫」と我慢してしまう方が多いことが現実です。しかし、このような症状が出た時点での対応が、後の明暗を分けることになります。
変形性膝関節症の痛みを避けて動かなくなると、筋力が落ちて、さらに膝に負担がかかり、痛みが強くなる、という流れに入りやすくなってしまいます。
変形性膝関節症の治療の選択肢

変形性膝関節症の治療方法は一つではありません。症状や進行度に応じて、大きく3つの治療方法があります。段階に合った治療を選択することが重要です。
手術を行わない保存的治療
手術を行わない治療には、痛み止めの飲み薬や貼り薬、関節への注射といった方法があります。
さらに、筋力をつけるためのリハビリやサポーターや靴の中敷き、必要に応じて杖を使うという方法もあります。
これらはすべて、膝への負担を減らして、悪循環を止めるための大切な治療です。
手術による治療
手術と聞くと不安に感じる方も多いでしょう。しかし、手術にもいくつかの方法があります。
・膝関節の中を整える手術
・膝にかかる負担を変えるための手術
・進行が強い場合に行う人工関節の手術
手術を行う場合、今の状態に合った方法を選ぶという考え方が大切です。
再生医療による治療
手術を考える前の選択肢として「再生医療」があります。
これまで、「注射やリハビリで我慢するか」「それでダメなら手術か」そう感じていた方も多いと思います。
しかし最近は、「できるだけ手術は避けたい」「でも、膝の痛みは何とかしたい」そういう方に向けて、再生医療という方法を選択する方が増えています。
変形性膝関節症における再生医療とは

近年、手術以外の治療として再生医療が注目されています。入院や手術を避けたい方にとっても検討しやすい治療方法です。
再生医療とは
再生医療は、体がもともと持っている修復の力を活かして、痛みや炎症の改善を目指す治療です。入院や手術を行わず、注射を中心に治療を進めていくことができます
再生医療が向いている方や慎重な判断が必要な方
再生医療が向いているのは、「これまでの治療を続けても日常生活がつらい方」や「手術には抵抗がある方」「できるだけ自分の膝を保ちたいと考えている方」です。
一方で、変形がかなり進んでいる場合や、膝以外の原因が強く関係している場合は、慎重な判断が必要になります。
まとめ
変形性膝関節症の痛みは後回しにされやすい症状ですが、早めの対応が将来の選択肢を広げます。膝の痛みは「年齢のせいだから仕方ない」で終わらせる必要はありません。
「痛みが続いている」「階段がつらくなってきた」「腫れが出ることがある」「歩ける距離が短くなってきた」このような症状を自覚した際には、セルズクリニック銀座院にご相談ください。ご質問だけでも大歓迎です。お気軽にご連絡ください。

