コラム
変形性膝関節症手術のリスクを分析 高齢者が気をつけたいポイントと再生医療のすすめ
膝痛に苦しむ高齢者の方は多く、70歳代の約70%、80歳代では約80%の方が変形性膝関節症などに悩んでいると言われています。
変形性膝関節症は自然治癒が難しく、進行すると手術を検討することになります。しかし、手術のリスクを心配される方も多いことでしょう。
ここでは、高齢者が考慮すべき変形性膝関節症の手術のリスクと、取り組むべき再生医療について詳しくご紹介します。
変形性膝関節症手術の種類とは

変形性膝関節症で行われる代表格な手術は、以下の3つです。それぞれに、向いている症状やメリット・デメリットが異なります。
関節鏡視下手術
関節鏡視下手術は、症状が軽い方に適用される場合が多いです。
痛んでしまった膝の組織を手術で取り除きます。
入院期間は1週間程度で、身体への負担が比較的少なく早めの回復を見込める点がメリットです。
ただし、痛みは緩和できますが、根本からの治療ではない点がデメリットと言えます。
高位脛骨骨切り術
高位脛骨骨切り術とは、節鏡視下手術で症状の改善が見られない場合に適用されることが多いです。
脛骨の一部を切り、膝の変形を整えます。手術後にはスポーツ競技への復帰など、活動的な動きが可能になります。
ただし、骨が繋がるまでの期間が長く、長期間のリハビリも必要になる場合がある点がデメリットです。
人工膝関節置換術
人工関節置換術では、すり減って変形した関節を人工的な部品に差し替えます。
基本的に、症状の重い高齢の方が受けることが多い手術法です。膝の痛みを大幅に軽減させる効果が期待できる点がメリットです。
ただし、3つの手術のなかで費用が最も高額で、手術後は正座や激しい運動が困難になる点がデメリットです。
高齢者に起こりやすい手術によるリスク

高齢者に起こりやすい手術によるリスクは、以下になります。
リスク①体力や筋力の低下
膝の手術後は数週間ほどのリハビリが必須となりますが、高齢者はリハビリの進みが遅くなりがちです。リハビリで体を動かさないと体力や筋力が低下してしまい、関節周囲の筋肉や皮膚などの組織が硬くなます。すると、関節の動きが制限されてしまう弊害も考えられます。
高齢者の場合、体力や筋力が著しく低下すると、最悪の場合寝たきりになってしまうケースもあります。人工膝関節置換の手術が成功したにも関わらず、歩けないということになってしまうのです。
さらに、手術後から日常生活に戻るまでは3か月ほど必要になります。体力や筋力が低下すると自力での生活も困難になり、ご家族の負担も大きくなってしまいます。
リスク②エコノミー症候群の発症
手術後に同じ姿勢で長時間動かずにいることで、エコノミー症候群を発症する場合があります。血液の塊ができて血管が詰まってしまう疾患で、正式名称は「肺血栓塞栓症」または「静脈血栓塞栓症」と言います。
さらに、この血栓が血流によって肺の静脈に運ばれて詰まると肺塞栓を起こし、最悪の場合は死に至ります。
高齢者の場合、術後の回復が遅く安静時間が長くなりがちです。さらに、脱水症状を起こしやすく血液が凝固しやすいので、エコノミー症候群を発症するリスクが高まります。
リスク③感染症の発症
生体の防御反応や抗菌薬の効果が働きにくい人工関節は、通常の関節よりも感染症に注意が必要です。人工関節に細菌が感染すると、痛みや腫れ、人工関節の緩みなどの症状が現れ、再手術が必要になることもあります。
手術中の感染が多いと思われがちですが、皮膚や尿路、肺炎などを経て感染することもあります。とくに、高齢者に多いリウマチの治療にステロイドを使用していると、感染率が約2倍になるという報告もあります。
さらに、免疫力が低い高齢者では合併症のリスクも高まるので、より一層の注意が必要となるのです。
リスク④人工関節の不具合
人工関節の手術の際には人工パーツと骨とをしっかり固定しますが、高齢者が転倒することや加齢による筋力の低下などで、人工関節の接着面にゆるみが生じることがあります。
また、高齢者は骨の強度が落ちている場合があり、埋め込んだ人工関節の固定が緩むケースも見受けられます。
人工関節の不具合が大きくなると再置換の手術が必要になってきますが、2回目以降の手術では感染症などのリスクが初回よりも高くなります。
切らない治療法・再生医療

再生医療とは、治療困難な疾患に対して、幹細胞や組織を用いることで組織や機関の再生を目指す先端医療です。変形性膝関節症の治療においては、体にメスを入れることなく注射で治療できる、体に負担の少ない治療方法として注目が集まっています。
幹細胞注射
「幹細胞」とは、失った細胞を再び活性化させ、新しく補充する機能を持った細胞のことです。変形性膝関節症の治療では、この幹細胞を膝に直接注射することで、膝の根本治療を行います。
幹細胞培養上清液注射
「幹細胞培養上清液(エクソソーム)」とは、間葉系幹細胞を培養した際の上澄み液のことです。変形性膝関節症の治療では、この幹細胞培養上清液を膝に直接注射することで、半月板や軟骨などの修復を促します。
まとめ

高齢になるほど手術のリスクは高まります。さらに、個々の身体的・精神的な状態によっても、手術の際に考慮すべきリスクが変化します。そのため、変形性膝関節症を治療する際には、可能な限り手術を避けることが望ましいでしょう。
膝関節症の治療で手術を避け、再生医療で改善を目指したいとお考えの方は、ぜひ セルズクリニック銀座院 にご相談ください。経験豊富な医療スタッフが、患者さまにぴったりの再生医療をご提案させていただきます。

